ナンダカナガハマアタラシイ〜長浜でチャレンジする人へインタビュー〜

インタビュー

石田三成出生の地に木製温室でマンゴー栽培
  • 2018.06.15
  • 農業・ものづくり

石田三成出生の地に
木製温室でマンゴー栽培
〜地産地消型の第六次産業を目指す〜

株式会社みつなりのさと 渡邉 理加

株式会社みつなりのさとに勤務され、農園芸事業のマンゴー栽培を担当されている渡邉理加さんのご紹介です。

【マンゴー栽培のきっかけ】
温かい地域だけではなく、雪が降るような長浜でも栽培できないか?

株式会社みつなりのさと 渡邉 理加さん
株式会社みつなりのさと 渡邉理加さん

私は、高校の時に農業高校へ通い、農業などの勉強をしてきました。卒業後の進路は、動物に関わる学校へ進学しましたが、その後、動物と関わる専門職などの仕事に就くことはありませんでした。

将来のこと考え、長く働ける仕事を探していた時に、農業に携わる現在の会社の求人が目にとまりました。農業に関わる仕事なら長く続けられるのではないかと思い、面接を受け採用していただきました。

そして、入社時に配属されたのが農園芸事業のマンゴー栽培担当者でした。農業高校に通っていたとは言え、農業は初心者に等しく不安でもありましたが、とても楽しみだったことを覚えいています。

マンゴー栽培
写真のマンゴーは5月下旬ごろに撮影

マンゴー栽培が始まったきっかけですが、当社の代表が仕事の関係でよくブラジルに訪問していました。

現地は温熱帯地でもあり、マンゴーがとても美味しかったようで、よく食べていたそうです。

マンゴー栽培
食べ頃のマンゴーを写真で見せていただきました

国内産のマンゴーは、ほとんどが南の温かい地域で栽培されています。温かい地域だけではなく、雪が降るような長浜でも栽培し、食べることができないかと考えたのがきっかけとなりました。

以前から、地産地消推進のため六次産業化を目指していたこともあり、マンゴー栽培を自社で行うことを決めたそうです。

木質バイオマスボイラー木造音質ハウス

寒冷地では、温度管理をできないとマンゴー栽培は難しいので、ビニールハウスは必須でした。そこで、自社事業で使用している木材を生かし、強度ある木造の温室ハウスを作りました。

自社の強みを生かした木造温室ハウス

また、温室の熱源が必要なため、木質バイオマスボイラーを使用しています。こちらも自社工場で製造したチップを使用しており、環境に配慮した熱源と言えます。

自社の強みを生かした木造温室ハウス
自社の強みを生かした木造温室ハウス

木造温室ハウスは、メリットが多く、見た目も温かみもがあり景観も良いです。高さもあるため、熱がこもりにくく、様々な作物の栽培に適しているので、自社の強みを生かしたハウスになっています。

入社した年は、収穫しても極少数で出荷するまでに至りませんでした。県内外の農家さんに指導していただいたり、また研修を受けたりして、マンゴー栽培に関する勉強を重ねました。現在、100本の木を管理しており、年々収穫する数は増えてきています。

自社の強みを生かした木造温室ハウス

実は、私自身、このマンゴー栽培をはじめるまでマンゴーを食べたことがなかったのですが、今では食べるようになり、収穫期に入ってから試食することも楽しみの一つです。

この長浜市石田町で育ったマンゴーは、完熟マンゴー「みつなり」というブランド名がつけられました。由来は、石田三成出生地にちなんでということだけではなく、ミツバチが実をならせてくれるという意味合いもあります。

この完熟マンゴー「みつなり」は、糖度が非常に高いマンゴーを目指していて、1つ1つをとても丁寧に育てています。

【現在の状況】
100本のマンゴーの木に愛情を込めて丁寧に育てている

マンゴーは、1年に1度、7月から8月にかけての約一ヶ月間の間に収穫となります。品種は二種栽培しており、そのうちの9割以上がアップルマンゴーという品種です。

写真のマンゴーは5月下旬ごろに撮影

栽培している100本の木には管理しやすいように、それぞれ名前をつけています。その名前は、従業員の名前を使用していて、とても愛着があります。

花が付かなければマンゴーの実にならない

マンゴー栽培は、時期によって低温期と高温期があります。開花期の前の2ヶ月ほどを低温にし、開花させる時に温度を上げ始めます。ハウス内が暖かくなってから、ミツバチなどをハウス内に入れて受粉を促しています。

花が付かなければマンゴーの実にならない

花が付かなければマンゴーの実にならないので、非常に重要なポイントです。花が咲き、実が付いてきたものが、徐々にマンゴーとなります。成長の過程で、複数の実が付いて落ちてしまうことが多いですが、その中で残った実を大事に育てていきます。

一つ一つを丁寧に栽培

収穫までは、その実を大きくするために選別したり、枯れたところを手入れしたりと1つ1つを丁寧に栽培し、そうして出来上がったのが完熟マンゴー「みつなり」です。

マンゴー栽培を行う中での大変な作業は、ハウスの温度管理です。常に温度を管理し、その時期に適した温度になるようにしないと、花付きが悪く、マンゴーの収穫数が減ってしまいます。

株式会社みつなりのさと 渡邉 理加さん

昨年は、低温期にうまく温度調節ができていなかったことも影響し、収穫数が予定よりも少なくなってしまったので、今年は、とても慎重に管理しながら栽培しているところです。

また、繊細なフルーツですので、害虫対策にも力を入れています。時には、農家さんにアドバイスを受けながら、より糖度の高い完熟マンゴーを目指し、一生懸命頑張っています。

今まで栽培してきたマンゴーは、お中元に利用したり、また自社が運営している地元のスイーツ店に出荷したりしています。まだ、収穫数が少ないため、販路は少ない状況ではあります。

ハウスの前にできた直売所

しかし、今年からは栽培しているハウスの前に直売所ができ、夏頃には完熟マンゴー「みつなり」が店頭に並ぶ予定です。また、味に問題がないB級品のマンゴーも店頭に並べ、お得に提供したいと考えています。

地産地消を目的ともしているため、地元のお客様にもっと知っていただき、地元産のマンゴーを気軽に食べていだけたら嬉しいです。

ハウスの前にできた直売所
ハウスの前にできた直売所

以前、完熟マンゴー「みつなり」を食べたお客様から「とても甘くて美味しかった」と、喜びの声をいただいたことが私の大きな原動力になっています。今年の収穫期がとても待ち遠しく、ワクワクしていて、たくさんの方々のご意見を聞かせてもらえることがとても楽しみです。

【今後のビジョン】
宮崎県産に負けないくらいのマンゴーになるよう栽培していく

100本の木から5000個の完熟マンゴーを収穫を目指す

マンゴー栽培での大きな目標は、100本の木から5000個の完熟マンゴーを収穫できるようになることです。昨年は、800個ほどの収穫となりましたが、年々収穫できるマンゴーは確実に増えていっています。

収穫数を増すことによって大きな販路開拓にも着手できるようになるので、今は1つでも多く出荷することに集中して、より糖度の高い美味しい完熟マンゴーができるように力を入れています。

マンゴー栽培は大変なことが多いです。しかし、より良い品質のマンゴーをつくり、マンゴーの産地で有名な宮崎県産に負けないようなこの産地ならではの、マンゴーになるよう栽培していくことが私の大きな役割と考えています。

株式会社みつなりのさと 渡邉 理加さん

私は、この完熟マンゴー「みつなり」を食べた方から「美味しかった」と言ってもらえることに、とてもやりがいを感じています。

たくさんの方々にこの美味しさが伝わることを願い、この完熟マンゴー「みつなり」が全国的にも広がるようなフルーツとなるようこれからも頑張っていきます。

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社名 / 屋号 株式会社みつなりのさと
設立 平成27年12月
連絡先 〒526-0814 滋賀県長浜市石田町1150-10 MAP
TEL / FAX 0749-63-5454 / 0749-68-2067
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