長浜の「アタラシイ」を紹介する第8回弾。28年5月に十割蕎麦坊主Bar一休をオープンされた天盛光信さん、晶明さん親子です。
私たちは長浜市高月町にあるお寺の僧侶を務める一方、父は長年農協に勤務し、私は料理人として12年ほど経験を積みながら、栄養士の勉強も行い、料理人として専門性を高めてきました。
ただ、家がお寺であるため、急な法要などがあるとお店を休まなければならず、家族の後押しもあり、融通が利く自分たちの店を持つことを考えはじめました。
自分たちの店を持つと考えたとき、地元でも栽培されている、そして何より自分が大好きな蕎麦の店、十割蕎麦を提供する店をオープンしようと決めました。
それからは、美味しいといわれる十割蕎麦のお店を何軒も食べまわり、その中で、師匠となる蕎麦屋の店主と出会い、蕎麦の打ち方を学ぶことができました。
十割蕎麦は、小麦粉などのつなぎを使用せず、100%蕎麦粉でつくる蕎麦です。蕎麦粉の風味をまるごと全て味わえるので、繊細な蕎麦の香りを楽しむには十割蕎麦が一番です。
ただ、つなぎを使用しないため、まとまりづらく、作り方が難しいうえ、手間もかかります。しかし、手間がかかる分、美味しさはひとしおで、口に広がる蕎麦の香りは格別なものです。
当店では、地元産蕎麦粉を中心に地産地消を目指しておりますが、現在は、香りの強い北海道産の蕎麦粉と粘りの強い九州産の蕎麦粉を独自でブレンドし、香りが飛びづらい「水ごね」製法にこだわったオリジナル十割蕎麦を提供しています。
もともとお店の経営については、今までの経験である程度の知識を持っていましたが、長浜市で「ながはま・こほく創業塾」を開講していることを知り、私たちも受講することにしました。
基礎編では、今までの知識を再確認することができ、応用編では自分たちの想いを再認識することができたと思っています。
そして、なにより、地元の商工会をはじめとする皆さんに、創業塾の受講から、お店のオープンまで親身に相談に乗っていただくことができたことが有り難かったです。
今も、たまにお店に顔を出していただくと、ちょっとした相談や話をすることができ、とても心強く思っています。
お店の場所は、ご縁があって高月駅前という好立地な土地を良心的価格で譲っていただけることになりました。
そして、できるだけ経費を抑える形でお店を建てたいという思いで、情報収集をしていくと、ログハウスを自分たちで建てると比較的安くお店を作れることがわかりました。
ログハウスをセルフビルドするというと、なんだかとても難しそう・・・と思う方も多いと思いますが、ログハウスのキットが販売されており、組み立て方法などのマニュアルがあるので、思いのほか簡単に作ることができます。
もちろん自分たちでは出来ない基礎工事や水回り、電気工事は専門業者に任せますが、あとは全て家族と友人たちの手助けで作っていきました。
工期は7カ月。予定より2ヶ月ほど押しましたが木の香りが漂う落ち着いたお店が完成しました。
内装のカウンターや机に至るまで、木材を使用した手作りです。扉を開ければ木の香りを真っ先に感じていただけます。また、木の温もりを感じてもらいたくて、あえて入口で靴を脱いで店内に入っていただく仕様にしています。
オーブンして約5カ月が経ちました。父は接客、私は料理の役割分担で店舗を運営しています。
オーブン当初は地元の新聞にも取り上げていただいたこともあり、お昼で用意していた蕎麦が全て無くなってしまうという日が続きました。今はちょうど落ち着いてきたところで、1日30食から40食ほど提供しています。
お客様は、地元の方、蕎麦好きの方、観光客の方と幅広く、リピーターも増えてきました。蕎麦が好きな人は遠方からもお越しいただいて、当店の十割蕎麦を味わっていただいています。
蕎麦メニューは、蕎麦の味だけで勝負したいという思いで、もり蕎麦とかけ蕎麦の2種類を中心に提供しています。もり蕎麦は、1口目はそのまま何もつけずに、2口目は塩で、3口目は少しつゆにつけて食べてみてください。蕎麦の香り、個性や出来具合などを感じてもらえると思います。4口目からは好きな食べ方でどうぞ。蕎麦をズズズッと音をたててすすった後のお客様のにこやかな、満足そうなお顔を見たくて、毎日蕎麦を打っています。
蕎麦の他には、蕎麦粉を水でといて加熱しながら練る「蕎麦がき」も人気です。お酒のあてだけでなく、砂糖醤油を付けるとデザート感覚で召しあがっていただけるので、女性のお客様にも好評です。
夜は坊主barという名前の通り、地酒や焼酎などを楽しんでいただくことができます。出し巻きや焼き鳥などのメニューもあり、今後宴会メニューも増やしていき、昼にも夜にもちょっと一休みしていただける、様々な使い方のできるお店を目指したいです。
まずは経営を安定させることが目標ですが、地元の子供たちに蕎麦打ち体験をしてもらう体験教室などを通した食育や、積極的に地域の食材を使っていくなど地域とのつながりも大切にしていきたいと考えています。そして、13時~カフェタイムなど地域の皆さんが気軽に集まって、ゆっくりと過ごしていただける場所も提供していきたいです。
社名 / 屋号 | 十割蕎麦 坊主Bar 一休 |
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連絡先 | 〒526-0059 長浜市高月町落川54-1 MAP |
TEL | 0749-85-8050 |
営業時間 | 11:30〜15:00 17:00〜21:00(ラストオーダー30分前) |
定休日 | 火曜日 ※急な法務でお店を休むことがあります。 |
URL | Facebookはこちら |
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